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ブリオフィルムの系統/葉縁に不定芽を形成するタイプ① [systematics]

 昨年8月に「ブリオフィルムの系統/葉上不定芽を形成しないグループ(前篇)」
http://kalanchoideae.blog.so-net.ne.jp/2015-08-08)と題してBryophyllum節の仲間についてアウトラインを述べたが、今度は葉上不定芽を生じるグループについてまとめたいと思う。前回のものと紛らわしいので、タイトルは敢えて表現を少し変えた。(依然として紛らわしい?)

 さて、ドイツのWikipediaを見るとBryophyllum各種がリストアップされていて、多くの種が掲載されている。一方、このブログでもヴォワトー達Boiteau et Allorge-Boiteauが“Kalanchoe de Madagascar”(1995)でブリオフィルムを7グループに分けた内容を紹介したとき大体の種を網羅した。このときと、Kitchingia節を紹介したときを併せて、更に今後リストアップする子宝草シリーズを加えても、ドイツWikipediaのリストから漏れてしまう種が3種ある。Kalanchoe germanae、K.bouvetii、K.adelaeである。
 本当は以前の記事で最初に触れておけばよかったのだが、仕方ないからここで説明しておこう。Wikipediaに載っている例外3種のうち2種はBryophyllum節ではない。Bryophyllum節は基本的に全種マダガスカル産で下垂型の花が咲くグループだが、K. germanaeはタンザニア産で花も上向きに咲いて、何故Wikiにリストアップされたのか全く分からない。K.bouvetiiはマダガスカル産だが花は上向きで、グロブリフェラなどと同グループに属す。両種ともにKalanchoe節である。
 残る1種K.adelaeはDescoings(2003)を見る限り、見落としのBryophyllum節のようだ。花は下垂型らしい。本種はマダガスカル近傍のコモロ諸島(シーラカンスで有名)に産する。ここにもBryophyllum節が分布していることは盲点だった。Boiteau et Allorge-Boiteau(1995)はマダガスカル以外に分布するカランコエをグループ分けしていないから、彼らの分類ではどのグループに入るのか示していないが、この本にはシノニムのK.floribundaでの記述があり、彼らはこの種をkalanchoe節としている。Descoings(2003)のいう通り実際はBryophyllum節だったとしても、ヴォワトー体系のCentralesに入るか、1種で別のグループを形成するのかも不明である。取りあえず葉縁に不定芽を形成するという情報がないので、ここで紹介する子宝草関連グループからは外しておきたい。

 ドイツのWikipedia情報以外に目を向けると、もう1種、K.alternansをBryophyllum節とする情報もある(Descoings, 2003)が、本種はアラビア半島産で花も下垂型ではなくBryophyllum節でもない。Descoings(2006)では新亜属Calophygiaとしているが、元の所属はBryophyllum節でなくKalanchoe節としている。というわけで、これも気にしない事にする。
 個人的にひとつ気になるのはヴィギエリK.viguieri(月兎耳や仙女の舞のグループ)も下垂型の花を咲かせることである。ICNの解説ではこれをBryophyllum節としているが、見ていて直感的にブリオとは思えない。3節(または3亜属)が明確に分けられず、中間の特徴を持つ種があると言われるが、このヴィギエリやK.mandrarensisの存在をいうのであろう。

 さてさて、前振りに先んじる前置きが長くなってしまったが、ここで扱うBryophyllum節は温室の雑草として多肉マニアには忌み嫌われている子宝草の仲間である。つまり葉縁に不定芽を生じてやたら増えるタイプのもので、いつの間にか我が家にも多数はびこっている。多少の意図も働いて、気が付けばそこそこのコレクションとなっていた。先に紹介した葉縁に不定芽を生じないグループは花が美しく好きであるが、コレクションしようとまでは思わない。とはいえ花序に独特の有毛不定芽を生じるマンギニーやミニアータなどは面白いと思う。
 今回は前に代表種をリストアップしなかったヴォワトー体系の残り4グループのBryophyllum節が対象となるが、ちょっと長くなってしまったので今日はここまでにしておこうと思う。

温室の雑草、と言えば不死鳥か?
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ハカラメの元祖セイロンベンケイソウK. pinnata
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最近は子宝弁慶とかハカラメというと
このクローンコエK. laetivirensのことと思われてたりする(苦笑
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Remaeks;
Recently I was aware the setting of comments in this blog was limited only in Japanese. Now I’ve changed the setting to enter the alphabet sentences.


形質転換と再変換 [flowers]

 このところ多忙につき、今回は本当の意味で備忘録の短報である。
 
 2年前に購入した花弁がつぶれた形で5枚ある花ものカランコエは、先日紹介したように翌年の花は形を成さずに崩壊していた。(「ハイブリッドは獲得形質の夢を見続けるか?」http://kalanchoideae.blog.so-net.ne.jp/2016-06-05)
 今年は棚の隅に置いてあって余り見てあげられなかったのだが、先日ふと見ると花がまともな形で咲いていた。しかもその花弁は4枚であった。花弁の形は2年前と同じくつぶれている。

 勿論同じ株で世代交代したわけではない。
 単に年数を経たことで勝手に解体・再構築といった昔のポスト・モダニズムみたいなことが起きていた。交配種の花の形質と遺伝子の問題はまだまだ手の出せる領域ではないが、先日書いた花の色彩変化も含めて、原因やメカニズムをいつか学びたいと思う。
 ともあれ、植物は複雑だ。

花の形を呈していない昨年の花、さながら雑種崩壊!
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今年はカランコエ本来の4花弁にcome back!!
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