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夏も無慈悲な破壊王 [others]

 今は昔の話になってしまった感があるが、今年の夏(7月後半~8月前半)は猛暑だった。今日この頃はそんなこともすっかり忘れてしまいそうに寒いが。
ということで、埼玉県の冬はカランコエ愛好家にとって憂鬱な長い日々を強いられるが、今年のような暑すぎる夏もやはりカランコエにとっては死の季節である。昨年の8月中旬、あまりに暑い1週間をうっかり見過ごしプベスケンスは枯死、グラキリペスも大きなダメージを負ったので、今年は用心してグラキリペスをはじめとする着生系の花卉を棚の奥の方に置いて直射日光を避けるようにした。
 ところが今年の夏(前半)は暑過ぎて、直射日光は避けたものの連日気温が34~38℃という高温が7月下旬から続いたため、グラキリペスはほぼ壊滅状態、吊鉢の親株は全滅してしまった。気がついたときには全ての葉がしおれ、枯れてしまった枝も多かった。緑色の枝を全部切り取って水に挿したが、かろうじて3つの切り穂に生気が戻ったので、一度切り口を乾かして土に植えたが虚しい抵抗に終わった。

瀕死のグラキリペスを応急処置したが…
グラキリペス01.JPGグラキリペス02.JPG  
虚しくも全滅

グラキリペス03.JPG

 昔もグラキリペスは夏に2回駄目にしているが、何度も同じような失敗をして我ながら馬鹿だと思う。要するに気温があまり高くなると直射日光云々に関わらず、危機的状況になるようだ。それでも今回は、株分けしておいた小さな鉢があったので、かろうじて全滅は免れている(といっても予断を許さない状況)。
 同様な懸念のある鉢も日陰に置いておいたが、やはり危機的状況になっていた。ウェンディとシャンデリアである。これらの鉢も慌てて室内に取り込んだが、かなりの葉が黄色く「紅葉」しており、鉢を持ちあげるとバラバラと脱落した。ウニフローラの交配種と思われるエンゼルランプは暑さに強いらしく、日陰に置いてはいるが瀕死のダメージまでには至らず。但し葉はかなり落葉してしまった。マンギニー(紅提灯)やテッサ、ミラベラは暑さに耐えている。

きれいに「紅葉してる」ウェンディ、この後すべて落葉(泣
ウェンディ4654.JPG 
これだけ落葉してしまうとシャンデリアも悲惨な感じだ
シャンデリア・パープルレッド01.JPG 
結局何株かは生還せず、残ったものも心もとない

 シャンデリア・パープルレッド02.JPG


 熱帯林の林床や樹上は高温にならないので、熱帯の植物だからといって高温に強いとは限らないのだ。こういう事は動物では熟知している事であったが、植物に応用が効かなかったのが情けない。園芸植物というと、あまり原産地のことを考えずに栽培してしまうが、本来なら原種の分布と生息地(植物だから自生地かな?)を調べ、そこの気候と地質を考えて栽培法を試行錯誤していくというのが普通なのではなかろうか。しかし植物の場合、そういう基本的なことを省いて上手く栽培している方が大多数のようにも思える。それは各種植物の栽培法が確立しているということなのだろう。では、グラキリペスやウェンディの栽培法は?というとあまり詳しい情報がなく、やはり試行錯誤になりそうだ。
 取りあえず気温が35℃を超えそうなら室内に取り込む、というテクニックをものにしたい。

 6月に10日以上日光が浴びられず(梅雨空が続き、ずっと曇りだった)、芽が委縮してしまったアフリカ大陸産の連中も、今回ばかりはかなり参っている。熱帯林とは程遠い環境に育つ種も埼玉のベランダは過酷な環境のようだ。何種か茎がいかれて倒れこんでしまった。こちらは取りあえず日陰に避難させた。応急の熱中症対策だ。

アフリカ大陸仕込みの対候性も日本のベランダでは空しい
4897.JPG 

 個人的には暑い夏は好きな季節だったのだが、最近は自分の体調はよくてもベランダの状況に気が抜けない嫌な季節になってしまいそうだ。


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ブリオフィルムの系統/葉上不定芽を形成しないグループ(前篇) [systematics]

 系統とか思わせぶりなタイトルだが、遺伝学的な系統strainとは全く関係ない。では系統分類systematicsの話かというと、もっとずっと軽い意味で渋谷系とか、カジュアル系とかいった感じの曖昧で感覚的な話題である。などとまた無駄なことを書いているが、今回は先にタイトルを付けてしまったのが失敗だった。
 閑話休題。カランコエを色々と眺めているうちに、自分の好きなタイプが分かってきた。分類学的に分けたタイプではないが、次のようなタイプに惹かれる自分がいる。
・木本性の種
・ベル型の花を咲かせる花卉
・葉縁に不定芽を形成するブリオフィルム節
・シンセパラの類
・欠刻葉を持つ草本性の種
(順不同)
 個別には上記以外にも好きな種や品種はある。ストレプタンサやローズピンクの八重咲きなどだ。楯状葉の種も好きかも知れない。なんだか全然収拾がつかないし、好きなタイプとか限定したような錯覚を覚えるが、種レベルで考えると全く絞り込めていない。

 もう一度閑話休題。かように好きなタイプには不定芽を出すブリオフィルムが入る。カランコエ属の下位分類の3節(section)のうち、このブリオフィルムとキチンギアの2節はマダガスカル特産だが、ブリオの1部の種は世界中の熱帯域に帰化してはびこっている(日本国内にも3種ほど帰化している)。南アフリカのフィールドガイドにはこれらの帰化カランコエについて「栽培すべきでない」と厳しい記載があった。
 さて、かつてBoiteauと Allorge-BoiteauはKalanchoe de Madagascar(1995)でブリオフィルムを7グループに分けた。ブリオフィルムには葉縁に不定芽を生じない種も多く含まれる。7つのうち3グループは葉上不定芽を生じないグループである。
Ⅰ.葉上不定芽を生じないグループ
① Centrales
② Epidendreae
③ Streptanthae
Ⅱ.葉上不定芽を生じるグループ
④ Scandentes
⑤ Bulbilliferae
⑥ Suffrutescentes
⑦ Prolifrae

 このうちⅠのグループは、花卉でベル型カランコエと呼ばれるものやその原種が含まれている。Boiteau et  Allorge-Boiteau(1995)からリストアップしてみる。
① Centrales:Kalanchoe pseudocampanulata、Kalanchoe rolandi-bonapartei、Kalanchoe pubescensプベスケンス、Kalanchoe miniataミニアータ、Kalanchoe bergeri、Kalanchoe jongmansiヨングマンシィ、Kalanchoe manginiiマンギニー
この他に2006年に記載されたKalanchoe rebmanniiとKalanchoe inaurataもここに含まれるだろう。
② Epidendreae:Kalanchoe porphyrocalyx、Kalanchoe unifloraウニフローラ
③ Streptanthae:Kalanchoe streptanthaストレプタンサ
これらの植物の花を見るとある事に気がつく。と言ってもK. pseudocampanulatasとK. bergeriの花は写真も見た事がないのだが、とにかくそれ以外の花はどれも萼が比較的小さいのだ。以前、下記の記事でBryophyllum節とKitchingia節について概観を舐めてみたが、そこでは両者の区別点として「萼は半分以上合着し花冠(花筒)を半分以上覆う」と書いた。
・カランコエとブリオフィルム③:トウロウソウ節について 
http://kalanchoideae.blog.so-net.ne.jp/2013-12-28

 ところがここに集う面々は萼がかなり小さく、花を見た限りではKitchingia節と思えてしまう。この辺りをもう少し突っ込んでみたいが、少し長くなったので次回に引っ張る事にしたい。

CentralesのK. pubescensプベスケンスと
プベスケンスIMG_0851.JPG 
ヨングマンシィK. jongmansii
IMG_3404.JPG 
EpidendreaeのK. unifloraウニフローラ「エンゼル・ランプ」
エンゼルランプ IMG_8857.JPG 
StreptanthaeのK. streptanthaストレプタンサ、元気だった頃の雄姿
ストレプタンサ IMG_8331.JPG 
K. manginiiマンギニー(上)と「エンゼル・ランプ」(下)の花
萼は小さく、花筒の半分には遠く及ばない
紅提灯P3230424.JPG 
エンゼルランプ IMG_1905.JPG 



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