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不定芽とbulbil [others]

 カランコエに魅力を感じる(あくまで私が)ひとつの要因として、不定芽を形成するということがある。植物の芽は茎頂と葉腋に出来る頂芽と腋芽を定芽と呼び、それ以外に出来る芽が不定芽と呼ばれる。カランコエで良く見られるのは、葉柄部分や葉の鋸歯に出来る葉上不定芽epiphyllous budである。
 カランコエの多くの種で葉上不定芽が見られるが、同様に花が咲き終わった花序に不定芽が生じる事も多々ある。時には花が咲かずに不定芽に変わる事もあり、カランコエ節、ブリオフィルム節共に見られる現象である。また茎上不定芽cauline budや仙女の舞などでは根に生じる根上不定芽radical budが見られる事もある。
( 以上はここを参照しましたBotanyWEB:http://www.biol.tsukuba.ac.jp/~algae/BotanyWEB/top.html )

アフリカン・カランコエの花序に生じた不定芽
アフリカン オレンジ.png 
シコロベンケイの花序に生じた不定芽
シコロベンケイ.png 
ロゼイの茎上不定芽
ロゼイ.png 

 葉上不定芽は多くのカランコエ節の種ではちぎれた葉の葉柄に生じる。仙女の舞(ベハレンシス)など一部の種では、葉柄部だけでなく葉のちぎれた個所から発根・発芽することもある。

ベハレンシス・ローズリーフの葉柄から生じる不定芽
IMG_0534.png 
シンセパラ・デセクタの葉の切断面に生じた不定芽
シンセパラ×デセクタ葉切片からの発根.png  

 これに対し、ブリオフィルム節の葉上不定芽は葉縁の鋸歯(稀には葉軸上にも)に生じる。言うまでもなくシコロベンケイやクローンコエのように葉が茎に着いている状態で葉縁に不定芽が生じるものと、基本的に葉が切り取られた後に不定芽が生じるタイプがある。全く個人的な嗜好で言うと、このような葉縁に不定芽が生じるブリオフィラムが面白いと思う。私自身はいわゆるコレクターではないと自認しているが、つい集めたくなってしまう。それはともかく、いずれこのグループをひも解いて行きたいと思う。

プロリフェラは葉縁の鋸歯と葉軸双方に不定芽が生じる
プロリフェラ(不定芽).png 

 ところでこのブログではもっぱら「不定芽」という表現を用いているが、書籍やネット上では「むかご」と表現していることも多い。しかし「むかご」というと山芋の茎に出来る肉芽を連想してピンとこない感じがしていた。上記のサイトによると「むかご」は肉芽と鱗芽に分かれ、狭義には肉芽のことをむかごと言うそうだ。そして肉芽はbrood bud、鱗芽はbulbilとなっていた。このbulbilという単語は英語の情報を見ていると頻出するので、今までこれをそのまま不定芽と=で結んでいたのだが、どうもここに誤解があったようだ。
 weblioの英和辞書によるとbulbilの意味として「小型菌核; 珠芽; 小鱗茎; 肉芽; むかご; 鱗芽」となっている。しかし英英辞書を見てみると新しい個体を生みだす球根状のものを全般にbulbilというようで、ブリオフィルム葉縁の不定芽に派生的にこの単語を当てたのではないかと思う。何しろブリオの不定芽は球根状ではない。例えばセイロンベンケイソウの葉から出てきた芽は、どう考えてもbulbilのイメージではない。
 自分なりの推論としては、日本でブリオの不定芽を「むかご」と呼ぶのは英語でbulbilと呼んでいるのをそのまま訳したのがきっかけではないだろうか。つまりブリオの不定芽は英語で言えばbulbilであるが、bulbilをそのまま「むかご」と訳してブリオの不定芽に当てるのは無理があると思う。これが間違いだと言う気はないが、自分としてはしっくりこないので当ブログでは今後も不定芽の表現で統一していきたい。

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