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Kalanmaniaへの長い道 [others]

 先週、BRUTUS(雑誌)を買ってしまった。
 特集は「まだまだ珍奇植物 Bizarre Plants Handbook 2」だ。
 残念ながらカランコエは大阪市の「咲くやこの花館」の紹介欄にラウイの花の写真が小さく1枚載っているだけだ。子宝草を除けばカランコエは珍奇植物ではないから仕方ない、というか当然だ。嬉しいのは「カランコエ・ラウイー」と表記されていたことだ。この品種をラウイと呼ぶ人は殆どいなくて、皆「ラウヒー」と呼んでいる。私はささやかに抵抗して「ラウイ」と呼んでいるのだが、賛同を得られた気分だ。

Brutus.png

 雑誌の内容はなかなか楽しめた。多肉マニアには有名であろうヴェルナー・ラウ教授(上記ラウイの語源の人)の遺産の記事も興味深かったし、植物マニアの世界も垣間見えて面白かった。それと同時に植物マニアを公言できるようになるまでには、まだまだ道が遠いことを実感した。

 20数年前、動物マニアを自認していた私は、ある日街の本屋で「自然と野生ラン」という雑誌を見つけ、衝撃を受けた。植物の世界ではこんなマイナーな分野でさえ雑誌が出ているのか!(と当時何も知らない自分には思えた。)
 動物では考えられないことだった。なにしろ金魚や蝶やニワトリなど比較的メジャーなものでも専門誌などなかったのだ。「自然と野生ラン」クラスとなると「林床と多足類」とか「ミジンコとホウネンエビ」レベルの雑誌が出版されているのと同じだ。そんな雑誌があったら後先考えずに定期購読を申し込んでしまうだろう。
 またある出版社に、そこで出版している図鑑に載っていたバーバートカゲの写真の撮影場所について問い合わせがあり、後日その写真の背景に写っていたモウセンゴケが根こそぎなくなっていたという話を聞いたり、ニュースでもレブンアツモリソウの盗掘が取り沙汰されるなど節操のないエピソードが植物マニア恐るべしっ、との感を強くした。

 植物の栽培技術は動物の飼育技術と比較して確立されているという点で高いレベルにあり(ドイツの動物マニアは別格であるが)、コレクターの熱中ぶりも凄まじく、大いにライバル心を掻き立てられた。
 しかし金も時間もなかった私は、大がかりな設備構築とか高価な種類の購入というスーパーマニアにありがちな方向へはいかず、文献収集の道に走ったのである。結果として人脈も出来てそれなりの成果もあり、その筋ではそこそこのマニアとなったのであるが、植物はチト勝手が違う。
 マニアの層も厚く、文献だけで太刀打ちできる世界ではない。現物の植物も試行錯誤で育てているが、置き場所が限界でコレクターにまでは至れない。開き直って花がきれいとか、面白い葉だとか言って楽しんでいれば良いのだろうが、マニア気質の性でそれができない。どうしても分類学的な興味が先行してしまう。
 この先どう進めば良いのやら、マニアへの道は未だ遥か彼方だ。


タグ:Kalanchoe mania
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